高校入試問題 2021年の分析と2022年に向けての対策(2)英語

みなさんこんにちは!塾長です。

当スクールでは開校以来、常に公立高校第一志望校合格率90~100%をキープしています 。

今日からシリーズで2021年春に行われた高校入試についてお話ししたいと思います。

目次

2021年度入試 英語の傾向

 5教科の中で入試問題の変化が最も大きいのが英語です。
 この2~3年の間でも、リスニングの放送回数の変化、グラフ・資料を読み取る問題の増加、英文の長文化といった変化が全国各地の入試で見られます。
 特に読解問題では、従来定番だった「生徒の日常」をテーマにしたものは減り、「環境問題」や「コミュニケーション」など、よりスケールの大きな社会の課題に言及した内容が増えてきています。

 読解に重きを置く流れから、文法や単語などの基礎知識を問う出題が減ってきているのも大きな特徴の1つです。
 英語の入試は全国的に4技能(読む・書く・聴く・話す)をバランスよく問う傾向が見られます。(※「話す」技能は英作文などで代用されています。)

 英語は学力の二極化が顕著な教科です。
 そのため対策は、「基礎知識の定着強化」「読解·英作文力強化演習」などとレベルに応じたものを行うことが重要になります。

 今回は、英語の得意・不得意にかかわらず再度確認しておきたい語彙・文法問題と、出題が増えている資料などの読み取り問題、特に上位の受験生には欠かせない英作文について傾向と対策をごく簡単に分析していきます。

どんな問題が出題されている?その対策は?

文法問題は減少 ただし基礎知識を問う問題は増加!

 実際の問題をみてみましょう。
 文法問題は全国的に減少傾向ですが、文法の基礎知識を問う「並べ替え問題」や、会話文などの「穴埋め問題」は依然多数出題されています。

宮城 大問5
兵庫 大問5

 上記宮城県の問題は、典型的な並べ替え問題で、確実に得点したいところです。
 答率は約30~40%とそれほど高くはありませんが、日ごろの定期試験対策をしっかり行っていれば正解できる問題です。
 標準的な問題を繰り返し解くことで、中上位層を狙うことが可能であることがわかります。

 次に兵庫県の問題は一見して会話文の読解問題のように見えますが、この問題も基本的な語彙力を問う問題です。
 今年度の教科書改訂で、中学3年間で習う単語数が1.5倍に増えました。
 長文読解対策も大切ですが、まずはしっかり単語力を身に付けなければならないことは言うまでもありません。
 また、問題文が多少長くても基礎知識で解ける問題が増える傾向があるので、問題文の長さに圧倒されず、しっかり読む練習をしておきましょう

なぜ基礎的な単語・文法力を問う問題が出題されている?

 先述の通り英語は学力の二極化が非常に顕著な教科で、近年より一層その傾向が強まっていることが背景にあると考えられます。
 各都道府県の公立高校入試は、そのような幅広い学力層の生徒の実力を評価する必要があるため、基本問題から応用問題までを盛り込んだ問題構成となっています。

その対策は?

 まずは学校授業の予習・復習をしっかりと行うことで大きな効果が得られます。
 そして、学校課題を提出前までため込むことなく、習ったその日(またはその週末)のうちに取り組み、間違えたところ、わからなかったところは繰り返し解きなおすことで基礎力が確実に身につきます

長文テーマは「生徒の日常」から「環境問題」などに変化

SDGs関連の問題が増加

 今や「SDGS」という言葉を聞かない日はないほどですね。
 学級活動などだけでなく、日々の生活の中でSDGSを意識することが多くなっています。
  SDGSの17のゴール(目標)はさまざまな見方·考え方で多様な構造に分類されていて、公立高校入試では、中学生にとって最も身近な話題であるということもあり、「自然環境に関する内容」が多く出題されていて、特に近年大きな話題となっている 「海洋プラスチック」については、今年度から使用されている新しい教科書でも取り上げられているため、今後も入試では欠かせないテーマとなっていくでしょう。


 SDGSと聞くと、世界規模で解決すべき課題に特化していると思われがちですが、身近な生活の中でも解決すべき課題は山積しています。
 公立高校入試で取り上げられるテーマ、という観点で例を挙げると、「地域活性化」「少子高齢化対策」 「子育て支援」といった持続可能なまちづくりに関する内容が、特に多く出題されています。 また、「地産地消」や「フードロス」などの、生産と消費に関する問題も、年々出題数は増えつつあります。 

SDGs関連出題例

宮城 大問4
滋賀 大問3

 上記のようにSDGs関連問題は長文読解問題で出題される場合が多くみられます。
 ぱっと見て、「文章が長くて難しそう」と思ったのではないでしょうか。
 しかしSDGsについて日ごろから関心をもっていれば、その問題が何を問うているのかが素早く理解できます
 長文読解にはもちろん文法力や単語力が必要ですが、SDGsに関する理解・知識の有無で大きく差がつくでしょう

その対策は?

 主に長文読解・記述問題で出題されることの多いSDGSですが、生徒個人の意見を尊重する意味合いもあってか、採点基準は比較的幅広くとられている印象です。
 問題演習の際には模範解答を覚えようなどとは思わず、日ごろから友達や先生、家族などといろいろな意見を出し合うのが良いと思われます。
 一方、やはり英語のテストなので、特に英文で記述して解答する問題の場合は文法的な間違いやスペルミスを避け、簡潔に自分の意見を書けるように練習しておきましょう。

まとめ

・英語はここ数年で最も出題傾向の変化が大きい教科。最新の傾向に合わせた対策を!
・基礎的な問題から応用問題まで幅広く出題されるので、自身のレベルに合った勉強法が有効!
・長文でも基礎的な単語力や文法力を問う問題が多数、しっかり読めば意外に得点できる!
・読解・記述問題はSDGs関連問題が増加、日ごろから関心を持ち、いろいろな人の意見も参考にしよう!

一度、無料体験に来てみませんか?

  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

油谷のアバター 油谷 学研CAIスクール三田駅前校塾長

大学卒業後に民間企業で5年間勤務した後、公務員(警察官)として18年間勤務。警察官時代には、韓国での語学留学(その後、通訳・翻訳担当に)、そして中東・クウェートの日本大使館で外交官としての勤務を経験することができました。いつも子供たちを指導しながら、「何のために勉強しているのか」「学んだ先には何があるのか」を、実例を挙げて具体的に示すことを心がけています。

目次