【2025年度対応】兵庫県公立高校入試について徹底解説します

目次

1.兵庫県公立高校入試のしくみと攻略法を解説

今回は、兵庫県の公立高校入試制度についてお話ししようと思います。平素、保護者面談などを通して、中学生のお子様を持つ多くの方が、この情報をどこで調べたらよいか意外とご存知でないと感じております。
また、教育委員会のホームページは情報が豊富すぎて、必要な情報を見つけるのが一苦労という声もよく聞きます。


そこで、このブログ記事では、入試制度の基本情報を分かりやすく整理し、攻略法についても触れていきます。これを読めば、スムーズに情報を手に入れ、効率的に対策を立てることができるはずです。

この記事を執筆したのは、当塾 学研CAIスクール三田駅前校 塾長の油谷です。
当スクールでは2015年の開校以来、常に公立高校第一志望校合格率90~100%をキープしています。


第一志望校に見事に合格した生徒の中には、入塾当初、学力面で課題を抱えていたお子さんも多くいらっしゃいました。それでも、それぞれのお子さんの特性に応じて、きめ細やかで温かく、時には厳しい指導を行い、一人ひとりの将来を真剣に見据えた指導を心がけてきました。その結果、毎年多くのお子さんが成績を向上させ、志望校合格を実現しています。

では、本題に入ってまいりましょう!

2.兵庫県公立高校入試5つのポイント

2-1「調査書による内申点+学力検査の得点」の合計点が素点となる

図のように、内申点と学力検査の合計点で合否判定が行われ、配点の割合は1:1です。
では、「内申点」「学力検査結果」それぞどのように決まるのかを見ていきましょう。

ア.内申点の計算例

①主要5教科(英語・数学・国語・理科・社会)評定の4倍の点数(100点満点)

②実技4教科(体育・音楽・美術・技家)  評定の7.5倍の点数(150点満点)

  これら①と②の合計が内申点となります。(250点満点)

※実技教科のほうが主要教科より1教科当たりの配点が高くなりますので、中3の1・2学期の期末テストでは実技教科が特に重要です。

イ.学力検査結果の計算例

5教科学力検査の点数(各教科100点満点)を0.5倍した値です。(250点満点)

ウ.合計点(素点)

内申点と学力検査結果を合計します(500点満点) 
上記の例ア・イの場合次のようになります

  この点数(素点)に調査書の諸記録を参考とした上で合否判定が行われます。

2-2 2校(第1・第2志望校)志願できる

 現在、複数志願選抜制が施行されていて、公立高校を2校志願できます。 願書は第1志望校に提出します。第1志望校には一定の加算点(下記参照)を加えて合否判定を行います。

2-3 第1志望校の合否判定の際は下記点数が加算される

(学区別加算点)    
第1学区(神戸淡路) 25点    
第2学区(阪神丹波) 20点(←三田市)    
第3学区(播磨東)  25点    
第4学区(播磨西)  30点    
第5学区(但馬)   30点

2-4 倍率発表後に志願変更できる場合がある(下記)

ア.志願変更できる場合

複数志願選抜を実施しない学校    
  →複数志願選抜を実施しない学校

複数志願選抜を実施する学校     
 →複数志願選抜を実施しない学校

複数志願選抜を実施しない学校    
 →複数志願選抜を実施する学校

複数志願選抜を実施する学校(第2志望)
 →複数志願選抜を実施する学校(第2志望)

イ.志願変更できない場合

複数志願選抜を実施する学校(第1志望)
→複数志願選抜を実施する学校(第1志望)

2-5 「推薦」「特色」選抜を行っている高校がある

※別記事に記載予定

3.合否判定

3-1 合否判定の基本

各高校で、第1志望者は加算点を加えた点数、第2志望者は素点で点数順に並べます。定員内の順位であれば合否判定の後、合格となります。

3-2 第1志望定員割れでも全員合格とは限らない

 第1志望者の出願数が定員を下回っいても、第2志望者を加えて合否判定しますので、合計数がが定員より多い場合は全員合格とはなりません

4.兵庫県公立高校入試の「内申点」について詳しく

4-1 内申点の評価対象はいつ?

 3年生の1・2学期の成績が評価対象として使用されます。(理科・社会は1・2年生の成績も考慮されます)

4-2 内申点を上げるには?

1.成績評価の3つの観点

中学校の成績は以下の3つの観点から評価されます。

①知識・技能
②思考力・判断力・表現力
③主体的に学習に取り組む態度

2.各観点の評価方法

①知識・技能と、②思考力・判断力・表現力は主にテストで評価されます。

③主体的に学習に取り組む態度について、文部科学省は以下のように見解を示しています。

– 単なる挙手の回数やノートの取り方といった形式的な活動ではなく、学習に対する自己調整を行いながら粘り強く知識・技能を獲得し、思考・判断・表現しようとする意思的な側面が評価されます。

– 「知識・技能」や「思考・判断・表現」の観点を踏まえて評価を行うべきであり、特定の記述だけを取り出して評価することは適切ではありません。

 このことは、「ノートやレポート」、「授業中の発言、挙手」といった形式的なものだけでなく、「テストでも測られる能力」を伴ってこそ高評価が得られることを意味しています。

 授業中に「確認テスト」「小テスト」などが行われる場合がありますが、「主体的に学習に取り組む態度」を客観的に表すものとして非常に重視されます。

 また、テストと同様に大切なのが「提出物」です。これは非常に重要です。定期テストで高得点を取りながら提出物をきちんと出していないために低評価されてしまうケースがあります。提出物は期限までに仕上げてきちんと提出しましょう。

逆に、平素から学校ワークにしっかり取り組み、分からないところは塾で質問して都度解決することで、小テストなどはほぼ取りこぼしていなかった生徒は、定期試験の点数がトップレベルではなくても、評価「5」を得られたケースも多々ありました。

3.高評価を得るためには?

では、どうすれば3つの観点全てで高評価を得られるのでしょうか?

それには、「アウトプット中心の学習」に切り替えることが重要です!

確かに、

– 真面目に授業を受け、積極的に挙手する

– きちんとノートをつくる

これらはもちろん大切ですが、それだけで満足してはいけません。

[学力を身につけるために必要なステップ]
1. インプット
 授業を受け、板書などをノートに書いてまとめ、暗記事項を覚える
2. 理解
 なぜそうなるのかを理解する
3. アウトプット
 テストのつもりで問題を解く。間違えたところ、わからなかったところは何も見ないでできるようになるまで繰り返す

3のアウトプットまできちんと実行することが非常に大切です。しかし、実行できていない生徒が多数います。逆にいえば、これを実行するだけで飛躍的に成績が向上することは間違いないということです。

内申点はどのように決まるのか、気になる受験生やその保護者の皆さん、今こそ学習方法を見直し、確実に成果を出すための学習を始めましょう!

※当スクールでは、この「アウトプットの学習」を特に重視しています。

①学校の授業を受ける

    ↓    

理解できる(自分による評価)

    ↓
問題を解くことができる(出題者・採点者による評価) 
    ↓
テストで得点できる(←ここまで到達しなければ意味がありません!)
 (※③と④の違い~③の状態から「ケアレスミス・時間切れによる失点」を差し引いたもの)

ここを目指すには、問題演習の質と量にこだわり、しっかりアウトプット(テストのつもりで問題を解く)学習に取り組んでいく必要があります。

特に理科・社会で、まとめノートづくりに時間をかけ過ぎるがあまり、問題演習が疎かになっている生徒がいます。そんな生徒さんには、まず問題演習を行い、まとめノートづくりを必要最小限にしようと提案します。すると、飛躍的に得点力がアップするケースが例年数多く見られます。

生徒会・クラブ活動・各種検定は総合判定の参考資料とされ「内申点」には無関係

前述のとおり、合否判定に使われる点数は
 ・内申点(9教科の評定を250点満点に換算) 

 ・学力検査(5教科の点数を250点満点に換算)

の合計点となりますが、生徒会やクラブ活動、英検などの各種検定は加点対象となるのでしょうか。

生徒会やクラブ活動、各種検定などは、「学習の記録以外の諸記録を総合した資料」として「参考として用い、総合判定となるよう留意する」とされています。募集要項で明示されいない限り、点数化されることはありません。(※三田市内では、有馬高校人と自然学科が令和6年度に実施しました。毎年11月頃に発表されます)

5.兵庫県公立高校入試の「学力検査」について

試験日・時間割

6.まとめ

いかがでしたか?ここでは兵庫県公立高校の一般入試について仕組みと対策(主に内申点について)を解説しました。

本記事に加え、是非

  ・各教科ごとの「出題傾向分析・対策」について

  ・「推薦」「特色」選抜について

は、近日中にアップします。

兵庫県公立高校入試問題の全般的な特徴として、

・易しい問題と難問が混在していてその差が激しい。
 →自力で解ける問題の見極めが必要

・選択問題の割合が多く記述問題が少ないが、容易ではない。
 →長い選択肢や、計算した上で選ぶ問題もある

・問題の文章量、ページ数がが多い。
 →長い文章、図表、グラフ、資料から情報を素早く正確に読み取る必要がある 

 ということが挙げられます。

 この傾向は、兵庫県だけに限ったものではなく、全国的にみられるものです。このことは、単なる知識の暗記だけでなく、その知識を実際に活用する力や、情報を的確に読み取り分析する力を書く高校が受験生に求めていることを示しています。また、高校だけでなく社会全体が求める能力・人物像とも深く関わっています。現代社会では溢れている情報の中から必要な情報を選び、判断し、問題解決に活用する能力が重要です。
 
 皆さんには、高校入試を通して、ただ点数を追うのではなく、これからの社会で求められる力をしっかりと身につけていってほしいと思います。平素の学習や受験勉強はその第一歩です。自分たちに求められているものは何かをしっかり意識しながら取り組めば、必ず点数にも結果として現れてきます。
 
自分を信じて、粘り強く頑張っていきましょう。

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この記事を書いた人

油谷のアバター 油谷 学研CAIスクール三田駅前校塾長

大学卒業後に民間企業で5年間勤務した後、公務員(警察官)として18年間勤務。警察官時代には、韓国での語学留学(その後、通訳・翻訳担当に)、そして中東・クウェートの日本大使館で外交官としての勤務を経験することができました。いつも子供たちを指導しながら、「何のために勉強しているのか」「学んだ先には何があるのか」を、実例を挙げて具体的に示すことを心がけています。

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