傾向と対策をざっくり
過去5年間の出題分野を分析すると、以下の表のようになる。
4つの分野からまんべんなく出題されていて、各分野から出題されている単元をみても、範囲は広く、特定の単元に偏りはあまり見られない。
したがって、高得点を目指すには、苦手分野を作らず全分野総合的な対策が必要といえる。
出題形式
①全部で大問が4問
②物理・化学・生物・地学から1題ずつ出題される
傾向と攻略法
全体的な特徴
問題文・図・グラフなどの情報量が多い
問題のボリュームが非常に大きく、1つの大問が複数ページにわたっていることがほとんど。
文章量だけでなく、図や表、グラフなどが多数用いられており、読み込むだけでかなりの労力と時間を要しするので、時間内に問題を解くには、普段から情報量の多い問題に取り組み、演習を重ねておく必要がある。
しかし、じっくり読みこめばそれほど難問ではない場合も多いので、情報量に圧倒されないようにしよう。
基礎的な問題と難問が混在
教科書に掲載されている基本的な語句を答える問題から、複雑な計算問題まで、問題により難易度の差が激しいのが特徴。
したがって、問題を読み込んだうえで、時間がかかりそうなら後回しにするなどの時間配分テクニックも必要。
まずは生物・地学の暗記事項を押さえよう
中学理科では、物理・化学の計算問題を苦手とする生徒が非常に多い反面、ここを得点源としている生徒も一定数いるので、自分に合った勉強法が必要だ。
もし計算問題にかなりの苦手意識があるのなら、生物・地学を徹底して攻略しよう。
用語は正確に覚える必要があるが、特に生物は暗記事項をしっかり押さえればほぼ得点できる。
天体の動きでは計算問題もあるが、中3の後半で習うため、ほとんどの受験生にとって勉強時間が足りず、また問題の難易度もそれほど高くないため、対策は立てやすい。
物理・化学分野の克服には計算問題を徹底演習
計算問題が得意なら、物理・化学で「実験・表・グラフ」の問題を徹底して解くようにしよう。単元別によく出題される実験の趣旨をしっかり押さえ、登場する表やグラフを読み取り、また書けるように対策しておこう。
なお、実験に関する問題は知識さえあれば解答できるものもあるので、計算が苦手だからといって放棄しないように。
そもそも、理科の計算問題が苦手な人が多いのはなぜか… 中には、「数学は得意だが理科で数字が出てくるとと手も足も出ない」という生徒も少なくない。
こうした生徒に共通しているのは、
・公式を覚えていない
・公式を覚えてさえいればいいと思い込んでいる
この2つのパターンがある。
公式を覚えるのは最低限のことであって、実際に問題を解くには公式をどう当てはめるかが問われる。
ではその「公式を当てはめる力」をつけるにはどうすればいいか。
教科書レベルから基礎→標準→応用問題へと小さなステップでレベルアップしながら問題を解いていき、わからなければ解説をしっかり読む・先生に教えてもらう→なぜそのようになるのかを理解する→再び解きなおす、というサイクルが不可欠だ。
こうしてこそ、その問題が回答者に何を求めているかとう本質が見え、正解までの過程が可視化する。
まとめ
①計算問題が苦手なら、まずは生物・地学の暗記事項をしっかり押さえる
②物理・化学は実験・表・グラフに関する問題を単元別に攻略。暗記事項を優先。
③計算問題の克服は、「スモールステップによる問題演習→なぜそうなるのかの理解→解きなおし」のプロセスが必要