みなさんこんにちは!塾長です。
当スクールでは開校以来、常に公立高校第一志望校合格率90~100%をキープしています。
今日からシリーズで2021年春に行われた高校入試についてお話ししたいと思います。
2021年度入試 数学の傾向
2021年度入試は旧学習指導要領により行われる最後の入試でした。
また更に、半数近い都道府県で、コロナ禍による休講措置等を考慮して出題範囲の縮小が行われたこともあり、2021年度の数学の入試は、全体的に標準的な内容・難易度となりました。
ほぼ全県で大問1で出題される、計算一行問題は、正答率が60%を下回るような問題はあまり見られず、教科書レベルの基礎知識で十分対応可能でした。(この傾向は数年前から続いています)
一方、差のつきやすい「方程式」 や「関数」の大問は、高度なテクニックを要する問題ではなく、「文章を読解し、内容を把握・整理して考えるカ」を問うものが多数、出題されています。
どんな問題が出題されている?その対策は?
「対話形式問題」は文章が長いだけで実は難しくない!?
学校のテストでも花子さんと太郎さんが問題の解き方などについて会話している問題が、特に最近よく出題されているでしょう。
このような問題は一見して文章が長いため、「読むのが大変で難しそう!」と思う人が多いかと思いますが、実は会話形式の問題は、解き方を誘導してくれているため、よく読むと意外に簡単に解けたりします!
出題事例
実際の問題を2問見てみよう。
岡山県 大問4の正解率は⑴53.5% ⑵46.0% ⑶23.0% 新潟県大問4の正解率は ⑴87.4% ⑵68.4% ⑶5.9%
となっていて、新潟県の小問⑴⑵は半数以上の受験生が正解しています。岡山県の小問⑴⑵も約半数の正解率でした。
なぜ対話形式が出題される?
会話形式の問題が近年増えているのには大きく2つの理由が」あると考えられます。
・様々な人の意見を聞くことで自身の学びへと結び付けていく「対話的な学び」が推進されているため
・問題の解き方を1通りだけ覚えるのではなく、様々な方法を身に付けることで応用力を身に付けるため
「対話的な学び」は新しい学習指導要領に盛り込まれている重要な内容です。
学校でも、テーマを決めて班単位でディスカッションを行う機会があるのはこのためでしょう。
また、数学の問題を解く方法は1通りではなく、2通り以上の方法がある場合があります。
たくさんの解き方を身に付けることで応用力がぐっと高まります。
初めて見るパターンの問題でも解けるようになるには、常に1通りの解き方では満足せず「他の方法はないか」との視点を持つことが必要です。
この傾向は2022年以降も続くと考えられます。
しっかり対策を行って臨みましょう!
対話形式問題の対策
・長文に圧倒されないこと!きちんと読めば実はそれほど難しくない!!
・会話形式の問題を演習するのはもちろん、普通の問題でも解説に「別解」があれば必ず押さえておくこと!
大問1「計算一行問題」を確実に取ろう
ここ数年は易化傾向
先述のとおり、ここ数年は正解率が60%を下回る問題はあまり出題されなくなりましたが、一部正解率の低い問題もみられます。
出題事例
「計算・一行問題」での失点は「分数・割り算」にあり⁉
上記の長野県の問題は式の意味を言葉で答える問題です。従来の一行問題にはあまり見られなかった新傾向の問題と言えるでしょう。正解率は34.3%と非常に低い結果となっています。
東京都の問題は平方根の乗除法、鳥取県の問題は分数の一次方程式で、これらも決して正解率は高くありませんが、確実に押さえておきたいところです。教科書レベルの問題をきちんと練習していれば正解できる問題です。
上記のように「分数・割り算」を含んだ問題の正解率は各県で軒並み低い正解率となっています。
「計算・一行問題」対策
・まずは教科書、学校ワーク問題を解いてしっかり身につけること!
・分数や割り算に苦手意識がある場合は繰り返して解き直し、自力で正解できるようにしておくこと!
まとめ
・対話形式問題は問題文が長いものが多いが、難易度はそれほど高くないことが多い。長文に圧倒されないこと。
・対話形式問題では複数の解き方をディスカッションしている場合も。日ごろから同じ問題でも「別解」を意識せよ。
・計算・一行問題は易化傾向にあるが分数・割り算を含む問題の正解率が低い。教科書レベルの基本を徹底すること!